とうとうそんな現場まで見るようになってしまいました…。 | それが愛というものだから

とうとうそんな現場まで見るようになってしまいました…。

きっといつかは大空をとべる…

カーステレオから流れるR.KELLY
「I Believe I Can Fly」
力強く… 叫ぶようにR.KELLYは歌っている…

「本当にいつかとべることができるのかな‥」

ふ… 鼻で笑ってしまう自分がいる。

とべるはずがない…
少なくとも今のmaryaじゃ…。


数メートル先を見つめたままアクセルを踏む。
辺りは真っ暗…

丸の内、大手町は廃虚のように静まり返っているのに
信号は、停まれのサイン。

指先でウィンカーを押し上げる

カチカチカチ… カチカチカチ…
ウィンカーの矢印ランプが点滅

「あ‥ れ…?
   そっか… ここを左折するんだったっけ…」

通い慣れてる道だから、カラダが覚えている。
maryaは夜も深くなると、感覚だけで車を運転してしまう。

脳は大蛇のように、ゆっくりにょろにょろ動いてて、
目は数メートル先をじぃ…っと見つめてるだけ。。


このまま… ずっと時が止まって、景色だけが流れてればいいのに…。

しゅっ…
目の前にアノ映像が飛び込んできた。。


信じられない‥


本当に信じられない…

とうとうmaryaは… 見たくない現場まで見てしまうようになってしまった。。


非現実的なハプニングは人より多い?方だけど、
絶対に慣れない。慣れるはずがない…

ハプニングの度に動揺するし、傷つく…。

でも…2005年の始まりはものすごい事件から始まった…。



キキキキーーーー!!!

すごい勢いで車が滑り込んできた。

「いっ…!!」
驚くほど大きな音。maryaはびっくりして目が飛び出してしまうかと思った。

目の上の筋肉が硬直。
そのまま金縛りにあってしまったように動けない。


目の前に滑り込んできた車の中に、2.3人乗っているのがわかる。
日本人じゃない‥。

母国語で何やら叫んでいる。


ちょっと様子がおかしい…


ううん…

かなりおかしい…


こわいっ

ものすごい殺気を感じる…


こういうとき人間は、目に見えないものが見えたり、
肌で感じとってしまったりするものなんだと思った。

maryaのシックスセンス(第六感)は、びんびんに「危険!!」信号が点滅。
すこぶるほどに敏感に感知してしまう。

しかも、センサー以上の早さで…。


「○×△□!!! ○××○・・・・!!!!」
叫んでいる方を振り返ってみると… 
そこには、血だらけの人が腹部を抑えて苦しそうに立ってる・・・・!!!

「ひゃっ…!!!!!!!」
maryaは驚きのあまり声にならず、
足がガクガク震え、カラダは硬直したまま動けない状態。

血だらけの人は、叫んでいる車によたよた近付き…
血の足跡をつけながら、車に乗り込む…


「バタン!!!」荒々しくドアを閉める音

「キキキキキー!!」ものすごいスピードで車が走る音


「へ…  な‥ なに…? なにがあったの…?」

ぶるぶる震えるカラダ…
ガクガクしている足…

maryaは怖くて怖くて腰が抜けてしまう寸前。。


ウゥーン ウゥーン


「ひっ…!!!!」

突然、パトカーのサイレンの音が鳴り響く。

ものすごい不快音がmaryaのカラダ全身に流れる。

maryaの心臓はきゅぅ…っと潰されるかのように、
強く握られた感じで、息が苦しくなり…パニック状態に陥ってしまいました。


キョロキョロ…キョロキョロ…

maryaの動きはへんちくりんになって、
足がもつれたようにバタバタ…とへんな動きをしだしたのです。


「marya…!! marya!!」

「.....」


「marya…!! marya!!」

「.....?」

「marya…!! marya!!」

「はっ…!」

遠くからmaryaを呼ぶ声が聞こえる…

だ… 誰か…来てくれたんだ!! 涙


振り返ろうとすると、急に目の前が真っ暗に。
鼻がぺちゃんと潰された感じに。

そう…
maryaが振り向く前に、ガシっと抱き締められたのでした。

誰だかわからないまま、ぎゅっとされ…
「あぅ…あぅ…」としか声にならないmarya。

でも、maryaのシックスセンス(第六感)は
安全人物だといってる。


「大丈夫… 大丈夫… もう大丈夫だからね…」と背中をぽんぽん叩かれ。
その声を聞いて「誰」だか、わかって…

プチ…っと緊張の糸が切れて大泣きしてしまいました。


つづく